本部に入り、控え室に向かって廊下を歩く俺は、その時から胸の中に抱いている、ふわふわした感覚の正体にやっと思い当たる。アクセサリー店で真剣に吟味した時からずっと浮かんでいる、妙な感慨……それは。
(そうだ。女性になにかを贈るのは、久しいんだ……)
その考えが、俺を自動的に十年近く前の記憶へと立ち返らせ……ぐらりと視界が揺れる。同時に強く胸が痛み、その場でたたらを踏んだ。
『――初めて作ったお守り? ありがとう……一生大切にするね!』
(またっ……!)
聞こえるはずない声が……耳を閉じ、瞳を塞いでも記憶の中から生々しく蘇ってくる。たった数年ばかりのやりとりが今も脳裏に強烈に焼き付き、決して離れようとしない。
『実はね私……将来は国家に所属しないで家を出て、支援が届かないような町とかを回って困ってる人たちのために力を使いたいんだ』
(そうだ。女性になにかを贈るのは、久しいんだ……)
その考えが、俺を自動的に十年近く前の記憶へと立ち返らせ……ぐらりと視界が揺れる。同時に強く胸が痛み、その場でたたらを踏んだ。
『――初めて作ったお守り? ありがとう……一生大切にするね!』
(またっ……!)
聞こえるはずない声が……耳を閉じ、瞳を塞いでも記憶の中から生々しく蘇ってくる。たった数年ばかりのやりとりが今も脳裏に強烈に焼き付き、決して離れようとしない。
『実はね私……将来は国家に所属しないで家を出て、支援が届かないような町とかを回って困ってる人たちのために力を使いたいんだ』



