しばらくの間、声も出せないでいた。助かった安堵で体が弛緩し、冷や汗が止まない。両肩を抱くように抑えていると、複数人の足音が耳に届いて黒髪の青年が顔を上げる。
「団長、向こうも確保しました。問題ありません」
「捕まえられていた人たちも救出しましたよ! あれっ、その子は?」
現れたのは二人組の騎士。目の前の彼と同じ甲冑を身に付けている。その胸に装飾されているのはファーリスデル王国――セシリーの住まうこの国のエンブレムだ。
「……こっちももう終わった。お前たちは戻って後処理を頼む」
「おや、つれない。あなただけ美しい女性のお相手ですか? ちょっとずるいんじゃないですかねぇ」
二人組の内、青い長髪の騎士がやや皮肉っぽく口角を上げたが、助けてくれた青年はそれを追い払うように手を振ると、もうひとりの元気そうな赤髪の騎士に指示する。
「ラケル、連れていけ」
「了解! このならず者はこっちで引き渡しときますね。ほら、キース先輩、行きますよ?」
「団長、向こうも確保しました。問題ありません」
「捕まえられていた人たちも救出しましたよ! あれっ、その子は?」
現れたのは二人組の騎士。目の前の彼と同じ甲冑を身に付けている。その胸に装飾されているのはファーリスデル王国――セシリーの住まうこの国のエンブレムだ。
「……こっちももう終わった。お前たちは戻って後処理を頼む」
「おや、つれない。あなただけ美しい女性のお相手ですか? ちょっとずるいんじゃないですかねぇ」
二人組の内、青い長髪の騎士がやや皮肉っぽく口角を上げたが、助けてくれた青年はそれを追い払うように手を振ると、もうひとりの元気そうな赤髪の騎士に指示する。
「ラケル、連れていけ」
「了解! このならず者はこっちで引き渡しときますね。ほら、キース先輩、行きますよ?」



