冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

「これまで見つかった最大のものから計算されたんだけど、魔石が現れたのは推定四百五十年程前からって言われてるの。その年代の物は結構見つかるのに、それ以上大きいのはどうしても出てこない。まるで突然何者かが、その時代の大地に埋め込んだみたいに……。魔導具も同じ年代に最古のものがよく作られてるのに、公には特別な異変が起こった記録なんて一切無いんだ。すごい秘密が眠ってそうで、わくわくしない!?」
「……ま、まあね」
 
 残念ながら、セシリーにはちょっと共感できない世界だ。きっとこういった尽きない知的好奇心こそがティシエルを若くして天才魔道具作成師たらしめているのだろう。興味を持ったことを一生懸命突き詰めようと頑張る彼女が、セシリーは昔から少し羨ましくて、とっても好きだ。

 店員に重さを量ってもらい、手さげ袋一杯に買い取ったずっしりと重い魔石は、リュアンが無言で手を伸ばし受け取ってくれ、セシリーは礼を言う。

「ありがとうございます、一緒に来てくれて助かりましたよ。さすがにこれだけあると、持って帰る内に腕が吊っちゃいますもん」