冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

「ぐっ、一体誰から聞いたの……。リ、リュアン様の方こそ、いっつも任務で無茶してキースさんに後始末押し付けてるんでしょ!?」
「何だと!?」

 憎まれ口だけ流暢(りゅうちょう)にやりとりするふたりの様子を怪しく思ったのか、そこでティシエルはセシリーの腕をがしっと掴んで叫んだ。 

「わ、私もお買い物に付いてくっ!」
「え? べ、別にいいけど……」

 その妙な迫力に断われず、彼女を右に、リュアンを左に連れ、妙な緊張感の下セシリーは販売所を回ることになってしまった。