冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

「まだ本格的に使用してはいないんだが付け心地はまあまあだ。感覚的なものだが、消費した魔力の回復が早いのも実感できているし、悪くない」
「……セシリーなんかこの人、偉そうで怖いよぉ」
「取って食ったりしないってば。この人なりに褒めてくれてるのよ」

 たちまち背中の後ろに隠れてしまったティシエルをあやすと、セシリーは彼女のためにさらなる評価を求める。よりよい商品にしていくためには、こういった利用者からの意見が欠かせないのだ。

「それなんですけど……実は彼女の新製品でまだ市場には流通していないものなんですよ。改善すべき点があれば、聞かせてもらえます?」
「……俺たちを実験台に使ったのか?」
「まさか。もう何百回も試験して問題ないことは確認済みです。個人的な感想も製品の品質向上の参考になりますから」
「ならいいが……そうだな。大気中の魔力を動力にして永続的に稼働してくれるのはありがたいが、正常に効力を発揮しているかどうかがやや実感しづらい。魔道具の回路も経年劣化で使用できなくなるものだろ? 知らない内に使えなくなっていると困るだろうし、長く使うなら交換や修理の目安が欲しい」