「時間をかけ良い具合に、弱気で自分を卑下するようになっていたのに……まあ、良いか。洗脳をするのは……いくらでもやりようがある」
エミリオ・ヴェルデは精神的に弱ってしまった私を自分の良いように操作しようとしていたことを、まったく隠さない。
きっと、彼は自信があるのだと思う。一度自分をなくしそうになっていた私を言いなりにする方法なんて、いくらでもあるんだと。
けれど、私はもう絶対に屈したりしない。結婚をしてから短い間だったけど、それは夫のシリルが教えてくれた。
私は誰かに愛されても、その理由を何も疑わなくて良いんだと。
「そうよ。早く離婚させてくれないかしら。だって、その子が居ると私がシリルと結婚出来ないんだもの」
いきなり甲高い声が奥から聞こえて、私は目を疑った。
「……聖女、ベアトリス様?」
王にロッソ夫妻に近づくなと厳命されていると聞いていたので、まさか私の前にまた姿を現すなんて思いもしなかった。
彼女は私が彼女の登場に呆然としていると見てか、美しい顔に心底楽しそうな笑顔を浮かべた。
エミリオ・ヴェルデは精神的に弱ってしまった私を自分の良いように操作しようとしていたことを、まったく隠さない。
きっと、彼は自信があるのだと思う。一度自分をなくしそうになっていた私を言いなりにする方法なんて、いくらでもあるんだと。
けれど、私はもう絶対に屈したりしない。結婚をしてから短い間だったけど、それは夫のシリルが教えてくれた。
私は誰かに愛されても、その理由を何も疑わなくて良いんだと。
「そうよ。早く離婚させてくれないかしら。だって、その子が居ると私がシリルと結婚出来ないんだもの」
いきなり甲高い声が奥から聞こえて、私は目を疑った。
「……聖女、ベアトリス様?」
王にロッソ夫妻に近づくなと厳命されていると聞いていたので、まさか私の前にまた姿を現すなんて思いもしなかった。
彼女は私が彼女の登場に呆然としていると見てか、美しい顔に心底楽しそうな笑顔を浮かべた。



