あの始まりの日から、ちょっとしたお酒の場での冗談の責任を取って「本当に大丈夫なのか」と私のことを気にかけて、時間を作っては何度も様子を見に来てくれた。
もし辛かったら俺と一緒に逃げようとまで言ってくれて、夫のシリルへ勇気を出すきっかけを作り、背中を押してくれた。
そんなルーンさんを犠牲にすることは、私には出来ない。
「ルーンさん。大丈夫だから……気にしないで。これは……はじめから、私の問題なのよ」
「フィオナ……くそっ」
彼の言っていた通り。ジャスティナと私が居たとして、全員が彼女を選ぶなんてありえない。だから、周囲から見ればきっとおかしな部分が多かったと思う。
けれど、あの時の私は「なんでどうして」と、むくわれない我が身を嘆くばかり。
自分の今いる状況をもっと冷静に判断して、エミリオ・ヴェルデのたくらみに自ら気がつき、お父様に報告するなりすれば、この事態を防ぐことが出来た。感情的になり過ぎて、失敗してしまった。
もう二度と繰り返さない。
私が向けたまっすぐな視線が気に入らなかったのか、エミリオ・ヴェルデは不満そうに鼻を鳴らした。
もし辛かったら俺と一緒に逃げようとまで言ってくれて、夫のシリルへ勇気を出すきっかけを作り、背中を押してくれた。
そんなルーンさんを犠牲にすることは、私には出来ない。
「ルーンさん。大丈夫だから……気にしないで。これは……はじめから、私の問題なのよ」
「フィオナ……くそっ」
彼の言っていた通り。ジャスティナと私が居たとして、全員が彼女を選ぶなんてありえない。だから、周囲から見ればきっとおかしな部分が多かったと思う。
けれど、あの時の私は「なんでどうして」と、むくわれない我が身を嘆くばかり。
自分の今いる状況をもっと冷静に判断して、エミリオ・ヴェルデのたくらみに自ら気がつき、お父様に報告するなりすれば、この事態を防ぐことが出来た。感情的になり過ぎて、失敗してしまった。
もう二度と繰り返さない。
私が向けたまっすぐな視線が気に入らなかったのか、エミリオ・ヴェルデは不満そうに鼻を鳴らした。



