本社の秘書課に配属されて3週間。以前の総務では工場全体へ向けた業務だったものを、ここでは役員の周りに向けての業務に切り替えたという気分だ。業務内容にそう大きな違いを感じていないが、一番の違いはスニーカー勤務でなくなったこと。

4.5センチのチャンキーヒールのパンプスはヒールが太く安定感があるだけでなく、静音ラバーをヒールに付けてもらってカツカツと音が出ないようにしている。これをアプリコットとブラックの2色で交互に履いて出勤する。念のため、スニーカーをロッカーに忍ばせてはいるけれど、一応走れるパンプスで業務をこなす。

ちなみに、このパンプスは友人の美雪と美冬から教えてもらったものだ。8,300円という価格ながら快適で、走れるパンプスは優れものだと感激して、初めて履いた日には二人にメッセージを送った。

秘書課の方々はとても親切に業務を教えて下さったし

「小野田さんっていうのは社長を意識しちゃうから名前で呼んでも構わない?私、工場の人から‘リンちゃん’ていう呼び方を聞いていていいなぁと思っているんだけれど…」

とグループの中でも最年長らしき香川さんに言われ

「はい、リンでも鈴でも大丈夫です」

と‘リン’呼びが定着している。小野田がいるとやりにくいと思うけど、皆さんが普通に接して下さるところが嬉しい。