陽翔さんと平日に一度、一緒に食事をして、土曜日は一日デート、日曜日は昼間のデートで祖父母の家に帰ることも3度目になった。

私は特別、付き合う相手を求めていたわけではないし、結婚を考えていたわけではないけれど、陽翔さんがとても真っ直ぐに想いを伝えて下さることに会う度に心が揺らされていくのが分かる。

今日はうちから見えている観覧車に乗ることにして出掛ける日曜日。

「陽翔さん」
「うん?」

当たり前に手を繋いで歩く彼が、その声と共に私を覗き込む。

「今日は祖父たちの部屋に帰るんですけど…」
「うん、夕方までにはね。ちゃんと送るよ」
「…あの…お時間とかご都合が良ければ、一緒に夕食をいかがですか?」
「おじいさまたちのご招待?」
「はい…私が言い出しっぺですけど」
「喜んでご一緒させてもらう。おじいさまたちに返事した方がいい?電話しようか?」
「大丈夫です。きっとそのつもりでいるので」
「そう?」
「あの…」
「うん?」
「…陽翔さん」
「うん」

もうクリスマス目前の今、陽翔さんと同じ気持ちではないかもしれないけれど、今の気持ちはきちんと伝えたい。そうでないとダラダラとご馳走になっているだけの人になってしまう。