静かな院内に遠ざかる綾斗くんの足音が響く。

((好きでわりぃかよ……!!!!))

あの時の綾斗くんの声が…
今も頭にこびり付いて離れない。

どんどん小さくなっていく
綾斗くんの背中を見つめながら
ポロン、と落ちた涙が、ツー、と
わたしのほっぺを伝った。

わたしだってそこまで鈍感じゃない……。

ほんとは……
気づいてる……。

だけど……

((片瀬さん。俺……っ、片瀬さんのこと……))

あの続きに、向き合うことが……

((‪”‬嘘だよー‪”‬))

わたしはまだ……


ちょっと怖い​───────。