え……。なんか…、怖い…。

腕を振り払って奈子ちゃんがいる
トイレに走ろうとしたけど、
思いのほか強く掴まれている。

特に抵抗出来ず、
わたしは先輩達に連れられて、校舎裏に。

わたしを取り囲むように先輩が立つ。
がたいがいい人で威圧感があった。

「あんたさ……」

わたしの正面に立ちはだかる先輩が口を開く。

「松村と、どーゆー関係?」

松村……?え……。
ここでその名前が登場するなんて
思いもしなかった。

「松村、って……綾斗くんのことですか?」

あ……
そういえば、少し前。
奈子ちゃんが綾斗くん、
先輩からの人気がすごいんだ、って
言ってた。

この人達、もしかして……、
綾斗くんを好きな人達なんじゃ……。