♡♡♡

結構隅々まで探したのに、どこにもいねぇ…。

「乃愛ーーーーっ!」

焦りからか、あれだけ
口にできなかった名前が
今だけはスラッと出てきた。

「…」

その時だ。

「やばくない?先生呼ぶ?」
「え、けど絶対うちら怒られるじゃん」……

なんだ…?
茂みが生い茂る校舎裏から
人の話し声が聞こえてきた。

「うぅ……っ、」

泣き声が聞こえる…。
急いで向かうと、

そこには先輩達に囲まれ、
地面にうずくまる片瀬さんの姿があった。