……ずるすぎる。

そんな顔するなんて……
こんな…気持ちになるなんて…
聞いてないよ…。

「あっ、ごめ……っ、俺……っ」

魔法が解けたみたいだ。
やがて松村くんがいつもの松村くんに戻る。

「…うっ、ううん!!ぜっ、全然!」

焦ったように壁から離れていく
松村くんの手……。

それを、どうしてわたしは…
こんなにも愛おしく、
名残惜しく…
眺めているのだろう。 ️

さっきの…‪”‬キュン‪”‬は………

一体…



なんだったのだろう​───────。