秋月先輩は真面目すぎる。
今日だって体調不良を理由に溜まった有給休暇を消化して休めばよかったのだ。
どうせ、今日は会議で上のものが出払うから、自分がいないと何かトラブルがあったときに、後輩が困るとでも思ったのだろう。
僕ははあっと息を吐くと、先輩を眺めた。
秋月先輩は北村先輩と会話した後、一枚の用紙を手に悩ましげな表情を浮かべていた。
その傍らには緑色の封筒がある。
この時期、全社員に配布される人事異動希望のアンケート用紙だ。
もしかしたら、先輩は別の部署に異動してしまうかもしれない...
僕の脳裏に不安がよぎる。
そして、あんな奴らの為に、先輩が部署を変えることに苛立ちを感じた。
しかし、先輩の気持ちを考えると、あの二人とこの先も仕事をすることはかなり酷なことだとは思う。
“私、この仕事が好きなのよね”
秋月先輩の嬉しそうに語っていた姿を思い出す。
胸が締め付けられて、どうにか助けたくなる。
いや、助けたいなんて言い訳だ。
ただ単に僕が秋月先輩に別の部署へ移ってほしくないというのが本音だった···───。
今日だって体調不良を理由に溜まった有給休暇を消化して休めばよかったのだ。
どうせ、今日は会議で上のものが出払うから、自分がいないと何かトラブルがあったときに、後輩が困るとでも思ったのだろう。
僕ははあっと息を吐くと、先輩を眺めた。
秋月先輩は北村先輩と会話した後、一枚の用紙を手に悩ましげな表情を浮かべていた。
その傍らには緑色の封筒がある。
この時期、全社員に配布される人事異動希望のアンケート用紙だ。
もしかしたら、先輩は別の部署に異動してしまうかもしれない...
僕の脳裏に不安がよぎる。
そして、あんな奴らの為に、先輩が部署を変えることに苛立ちを感じた。
しかし、先輩の気持ちを考えると、あの二人とこの先も仕事をすることはかなり酷なことだとは思う。
“私、この仕事が好きなのよね”
秋月先輩の嬉しそうに語っていた姿を思い出す。
胸が締め付けられて、どうにか助けたくなる。
いや、助けたいなんて言い訳だ。
ただ単に僕が秋月先輩に別の部署へ移ってほしくないというのが本音だった···───。



