「え!?あの超名門の!?」

確か隣町のめちゃくちゃ頭いい所……

「そうだけど」

「え、まじ?」

「まじ」

……信じられない。という訳でもないけれど
なんか暴走族は頭悪いイメージだった。

1例としてお兄ちゃんは頭が悪かった。

昔こっそり通知表見たら全部1だったからびっくりした記憶が今でも鮮明にある。
私も人の事言えないけど…。

「じゃあ、桃季も明日からそこ通うの?ここから?」

「さぁ、どうだろうな、芹奈が宿題全部終わったら教えるわ」

「もー!やだーそんなのー!終わる訳ない!」

「ほら、教えてやるから。じゃあここやるぞ、
兄は1秒50mの速さで、学校へ向かい、弟は1秒……」

確かに淡々と問題文を読み進める桃季は
頭が良さそうに見えた。今、聖鳳凰に通ってる、って聞いちゃったからかもだけど。

あ。
そういえば桃季って、
お兄ちゃんの事、すごい慕ってる、って感じだけどいつからの付き合いなんだろう。

もう問題文なんて1ミリも見たくない私は
別の事に興味を持ち始めた。

「あ、ねぇ。桃季ってお兄ちゃんとどうやって出会ったの?」

シャーペンをクルクル回しながら尋ねると、
すごく冷めた目で見つめられてしまった。