「兄ちゃんのこと、…ごめんな」

「もうー、気にしなくていいってばー…。桃季のせいじゃないよ」

「芹奈ぁ…っ、、芹奈はほんといい子だなぁ…、、」

「今気付いたの?」

良かったですね。

あぁー……、、
また僕の涙腺が緩むじゃないですか!

「また俺が芹奈のこと、大切に大切に…っ、育てるからな…っ?」

「もう育ってるよー」

「俺からしたらまだ赤ちゃんなの」

あーあー。桃季さん
とうとう育てる、って言っちゃったよ。

そこは大切にする、でいいじゃないですか…。


***

また別の日。

病室に入ろうとしてドアに伸ばした手を止めた。

ゆっくりドアの隙間から中を覗くと
眠っている芹奈ちゃんのほっぺを桃季さんがねちっこくツンツンしていた。

「せりなー…」

ーーツンツン。
ーーツンツン。

「ん………な…に…」

「今日もかわいいなぁ…。ほんとに…。」

「…ん……あり、がと…」

ーースースー……

「せりなー…」

ーーツンツン。
ーーツンツン。

「んー…なにー…」

「ほんとかわいいなぁ…お姫様みたい…。なんでこんなにかわいいんだろ……」

「ん……ありが。と…。……遺伝…」