【嵐side】

ある日。

病室に入ろうとしてドアに伸ばした手を止めた。

何やら病室でイチャイチャしていたのだ。

桃季さんと芹奈ちゃんが。

ゆっくりドアの隙間から中を覗くと
桃季さんが芹奈ちゃんの耳たぶをちょん、と触っていた。

「それ…可愛いな」

「ん?あ、もも?」

「あぁ、桃。ジュエルに買ってもらったのか?」

「ううん!1人で買い物出来たんだよ、お店の人が試しに付けさせてくれてそれでねっ───」

「……っ」

はっ!はっ、ハグしたーっ!

まだなんか話してる芹奈ちゃんの体を桃季さんがまた抱きしめたのだ。

「桃季?」

「無事で良かった……ほんとに」

「ねー、また泣いてるのー。しつこいー」

「退院したらデート連れてってやるからな……っ、」

「ほんと…っ!?やったーっ!」

「芹奈の行きたいとこ全部連れてってやるからな……っ、どこ行きたい?」

「遊園地!あと水族館とー…」

あーあー。
桃季さんすっかり芹奈ちゃんにベタベタになっちゃって。