耳元で囁かれた声があまりに不気味で
そこで初めて、さっきまで
ろくに動かせなかった私の口から、
ちゃんとした声が出た。

「いやっ…!!!離して…!!誰かっ……」

「おい!静かにしろ!!」

バタバタと抵抗する私を
より強い力で押さえ込む男達。

「離して…!!誰かっ!!」

だけどどれだけ叫んでもここは
人通りの少ない路地裏。

ただただ、
男達を刺激しただけだったみたいだ。

「あっ……、うっ…」

次の瞬間
壁に押し付けられるようにして
首を絞められた。

「変に抵抗するからだよぉ〜、お嬢ちゃぁ〜ん」

不敵な笑みと共に
私の体はどんどん上へと上げられていった。

「おい、気絶させたら終わりだぞ」

「分かってるってぇ〜」

どれだけ身をよじって、もがいても
それは虚しく空を切るだけだった。

むしろ、より強い力が容赦なく
グーッ、と首に与えられるだけ。

「……カハッ、ぁ‪”‬っ…」

とうとう足が地面につかなくなって
仰け反るように天を仰いだ。

息が…吸えない………苦し…

たすけて…たす…け…

助けを求める傍ら、
脳裏では静かに諦めが浮かんでいた。