【桃季side】

「腹痛てぇ……」

ぜってぇーさっきのだろ。

一体何と何を混ぜたらあんな味になるんだよ。

トイレにこもって早10分……。

俺は今、腹を下していた。

やべぇな。めちゃくちゃいてぇ……。

恐らく原因はさっき芹奈が作ってくれたオムライスだ。

正直めちゃくちゃまず…とんでもない味だった。

でも骨折している俺を気遣って作ってくれたっぽかったから絶対こんなん、言えねぇんだよなぁ…。

ーーガチャ……

まだ痛みはあるが一旦横になろうと
トイレから出た時だった。

「桃季……」

芹奈が俺の行く手を阻むように佇んでいた。

「……どうした?」

そう声を掛けると
芹奈はモジモジと手をいじりながら言った。

「あの、さ、正直私……」

なんだ……?
深刻な顔してるけど深刻な話なのか……?

ーーゴロゴロゴロゴロ…

やべぇ…、また波が……
来たかもしれねぇ……。

さりげなく腹を抑えて額に浮かぶ汗を拭った。

「桃季の顔めっちゃタイプ……なんだよね」

ーーゴロゴロゴロゴロ…

いってぇ……、、