保健室のベッドに二人で並んで座った。

カーテンは開けたままだった。
保険医の先生が、そうしなさいって言った。
男女だからだろうか?

「だいじょうぶ?」

「うん」

「よく頑張ったね」

「うん…うん」

ずっと、何処かに無理矢理ハメたストッパーが外れたみたいに涙が次々とこぼれた。

「あーあー」

真翔が私の頭を撫でる。
今日は真翔も着てきてたカーディガンの袖で、涙を拭いてくれた。

それでも涙は止まらない。

理解してもらえたかな。
前よりもっと気持ち悪い奴だって引かれたかも。
でもみんなちゃんと聞いてくれたな。

私の声を。
声を…。

「だいじょうぶ」

「ん」

「だいじょうぶ。だいじょうぶ。まつりはだいじょうぶだよ」

「ん…」

「ほどほどにねー!」

先生の机のほうから声がした。
真翔が笑った。
私は泣き続けた。

心は、痛くない。