来世なんていらない

「小高くん…」

「ごめん…ごめんな。これからでいいからさ!俺は九条さんと何も変わらない、同じ人間なんだって、いつか信じてよ!」

「わか…った…」

「もう切っちゃだめだって、無責任なことは言えない。俺は九条さんの本当の苦しみを知らないから。それでも苦しくなったら…ちょっとでもいいから俺を思い出して。九条さんの味方でいたいんだ」

「ん…」

小高くんがニコッて笑って、私の腕から手を離した。

また、小高くんの動きがスローモーションみたいに見える。

小高くんの手がサッと目の前をかすめて、私の頭を…

「ゃッ…」

「え…」

頭を抱えて体を丸めてしまった私は、恐る恐る体を起こした。

私に遮られた手の平をどうしていいか分からずに宙に浮かせたまま、気まずそうに私を見ている。

「あ…いや…ごめん…。驚くよな。なんかさ、九条さんが頑張ってるんだなって思ったら頭撫でたくなっちゃって。俺、キモ…」

「なで…る…?」

「え、うん。でももうしない!九条さんが嫌がることは!」

撫でる…。
殴られるのかと思ってしまった。

目の前をかすめる誰かの手の平が怖い。