来世なんていらない

「お弁当は?」

「ちょっと…寝坊しちゃって…」

「親、作ってくれないの?」

「…遅くまで働いてるから…」

「普通子どもの為ならお弁当くらい作ってくれるんじゃないの」

なんで…なんでそんなことこの人に言われなきゃいけないんだ?

「本当に疲れてるから…!自分でやろうと思ってたら寝坊しちゃっただけ!それだけだよ!」

「愛されてないんじゃないの」

私が普通よりも大きい声を出したから、武田さんも大声で言った。

愛されてないんじゃないの。

実際にはどれくらいの音量か分からないけれど、すごく大きく聴こえた。

「りいさ!」

今度こそ小高くんが立ち上がって靴を雑に引っ掛けたままでこっちに来た。

「だってそうじゃん。遠足なんてお弁当の時間が一番楽しいのにそれに協力してくれないなんて」

「そんなこと武田さんには関係ない…」

「何?聞こえない」

「武田さんには…」

「りいさ、お前ほんといい加減にしろよ。なんで九条さんにそんなことばっか言うんだよ」

「友達じゃないからだよ!」

周りの女子達が気まずそうな顔をして、「私達もおやつ交換いこ」ってリュックを抱えて行ってしまった。

行ってくれて良かった。

「友達だなんて思ってない。私はこの子を認めない。突然出てきて真翔を…」

「俺がなに…」