「髪よし!服よし!カバンにハンカチ財布スマホ…ある!忘れものなし!
行ってきまーす!」


玄関先で確認作業をして家を出る。

今日は土曜日。燿とバレー部のキャプテンさんとご飯を食べに行く約束をした日だ。


目当てのお好み焼き屋さんは学校の近くにあって、

燿と先輩の家は私とは逆方向にあるから、途中で待ち合わせることなく現地集合することになってる。


ファッションには疎くて、とりあえずお出かけ用にワンピースは持ってたけど…白だったからやめた。汚したら目立ちそうだったから。

迷ってグレーのニットワンピとレギンスにしたけど…変じゃないかな?

あんまり変だと、燿に笑われそうで憂鬱…。


「すいませーん」

「え?」

「ちょっと道わかんなくてー。
教えてもらっていいっすか?」


目的地に向かってる途中で

大学生くらいの、3人組のお兄さんたちに話しかけられた。


「どこに行きたいんですか?」

「この辺喫茶店とかある?」

「あ、それならここを真っすぐ行って2つ目の交差点を…」

「あーーそういうの覚えらんないからさ、
ついてきてくんない?」