『ピピピピピ…ピピピ…』

2階の片隅にある小さな部屋で目覚まし時計が鳴り響く。

『カチッ』

目覚まし時計を止め、眠たい目をこすりながら階段を下りる。

「おはょ…」

「おはよう、瑠慰。今日は起きられたみたいね。」

「うん!だって目覚まし2コかけたもん」

自信満々に答える。

私は日高 瑠慰。【ヒダカ ルイ】
今日から高校生で、みんなからは“るん“と呼ばれている。
「いつまで続くのかしら。今日も結加ちゃんと行くんでしょ?」

と、意地悪な笑みを浮かべてコーヒーを差し出すお母さん。
「おっはよーるーんっ♪」

陽気な声。
裏口から元気よく入って来たのは親友の野口結加。【ノグチ ユイカ】同じ学校に入学する。

親友であり、私の全てを知ってるただ1人の友達。

「あら、元気ね。ご飯出来てるわよ」

結加は朝食を私の家で過ごすのが毎朝の日課だった。

「もーお腹ペッコペコーっ」

朝ごはんを食べ終わり、2人揃って家を出た。

「「行って来まぁす♪」」