「「いただきまーす」」


 席に戻って四人で手を合わせてから、この辺で獲れたという新鮮な魚が詰まった海鮮丼を食べ始める。


「なあ結弦、今のペースなら昼からはそんなにかかんねえだろ?」


 怜がお箸を動かしながら訊ねた。


「そうだな。琴音と美輝も手伝ってくれるなら、あと一時間もかからないと思うけど」

「じゃあさ、終わったらこの辺散策しねえか? 俺、駄菓子屋に行ってみたいんだよなあ」


 駄菓子屋ってなんの話だろう? と、一瞬耳が反応するが、わたしの視線は手元にある海の幸に向いたままだ。

 わたしが食事に夢中になっていると、美輝が結弦達の話に乗っかった。


「この辺に駄菓子屋があるの?」

「うん、俺が小学生の頃に遊んでた駄菓子屋が近くにあってさ。まだあるかなあなんて、さっき怜と話してたんだよ」

「へえ、わたしも興味あるなあ。アイスも食べたいし。琴音は?」

「わたしも駄菓子屋行ったことないから、ちょっと行ってみたいかも」

「よし、じゃあ午後からはみんなで駄菓子屋に行こう」


 結弦の言葉に全員が賛成する。海鮮丼を食べ終えると、わたし達はジャージに着替えて裏庭へ戻った。