私達がやるはずだったプリントは残り半分ほどの量になっていた。


「本当は今日も勉強してるはずだったんだよね」


炎から離れた場所に座って香は煙を見上げている。


「そうだね……」


合宿に来るのは正直面倒だと感じていたけれど、こんなことになるくらいなら、普通に勉強していた方がよかった。
少なくても、1日に1人ずつ誰かがいなくなってしまうなんて、こんな経験はせずにすんだだろうから。


「まだ紙は沢山あるから持って来ておこうか」


真夏の今、太陽が高くなればなるほど火を焚くのは大変な作業になる。
そうなる前にやれるだけのことはやっておきたい。


「私も手伝うよ」


そう言って立ち上がったとき、バタバタバタバタと、今朝聞いたばかりのあの音が聞こえてきたのだ。
ハッと息を飲んで空を見上げる。