その意見に反対する者は1人もいなかった。
みんな、これから自分1人の部屋に戻ることに抵抗を感じていたみたいだ。


「それはいいけど、シャワーは浴びたいかも」


未来が自分の髪の毛を気にしている。
そうでなくても派手な化粧をしているから、そのまま眠ることはできないだろう。
だけどこうやって宣言するということは、1人で行くのが怖いからだろう。


「それなら女子は全員でシャワーに行こうよ。それなら1人にはならないから安心だよね?」


提案したのは香だ。
本当はシャワーなんて今日はどっちでもいいと思っていたけれど、香が言うなら私も一緒に行こう。
異様な状況に立たされても少しでも今までと同じ日常を過ごそうとするのは、本能的なものだろうか。
どれだけ視線をそらしてみても、その現実が変わることはないのに。

シャワーを終えた私達は食堂へ戻ってきていた。
ホカホカと温まった体で横になると、床が冷たくて心地いい。