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その日、私達は三谷くんが死んだ部屋で眠った。
寒気はすでに消えていて、不思議ともう怖いと思うことはなかった。
今部屋の中はとても静かで、どこか暖かな空気も感じている。

布団も出さずに畳の上で雑魚寝をしてしまった私達の頬には畳のあとがくっきりと残っていて、ふたりして指差し合って大きな声で笑った。
それからシャワーを浴びて体の汚れを落とし、久しぶりにまともな朝ごはんを用意した。

こんがりと焼いた食パンにコーンスープだ。
向かいあって座って食事を終えると、私達は手をつないで教室へ向かった。
毎日毎日自分たちに命令を下していたホワイトボードがそこにある。
今朝もまたなにか書かれていたとしたら……私達にできることはもう、なにもない。

前へ進む足取りが少しだけ遅くなって、緊張から呼吸が浅くなる。


「俺1人で確認してこようか?」


修の申し出をやんわりと断って、ふたりでホワイトボードの前に立つ。
そこには……なにも書かれていなかった。

真っ白はホワイトボード。
その前に呆然と立ちつくす私達。
命令が書かれていない。