「ハッピーバースデートゥーユーハッピーバースデーディア三谷くん! ハッピーバースデートゥーユー」


部屋の中央で歌いきった次の瞬間、ふっと空気が揺れてロウソクの炎が吹き消された。
ロウソクが消える寸前に、色白のきれいな男の子の顔が見えた気がした。
すぐに電気をつけたけれどその少年はすでにどこにも姿がなく、その代わりに準備していたプレゼントが忽然と消えていた。


「プレゼント、気に入ってくれたかな?」

「きっと気に入ってくれたよ」


後に残されたのはロウソクの煙の匂いと、私たちふたりだけだった。