命令教室

私は勢いよく立ち上がるとホワイトボードを両手で押し倒していた。


「こんな命令きく必要ない! こんなのおかしいよ!」


ホワイトボードの文字を手でこすって無理やり消そうとする。
しかし文字は一向に消える気配がない。


「歩、やめろ!」


止めに入ったのは修だった。
後ろから両手で羽交い締めにされて、ホワイトボードから引き離される。


「離してよ! 離して!!」


いくらもがいてみても男の力には敵わない。
私は再び床に座り込んでいた。


「みんなだって色々考えたんだ。誰かを自殺させるなんて無理だと思ってた。でも……やらないと、また誰かが消える。それならって話になったんだ」


それなら?
誰かが消えるなら、誰かを自殺させてもいいってこと?
私は両手で顔を覆った。
自然と涙が溢れ出してくる。
こんなのおかしい。