命令教室

充の声でハッと我に返った。


「な、なにこれ。自殺って?」


『自殺』という言葉を自分の口から発した瞬間に寒気が走った。
そんな恐ろしいこと、できるわけがない。
誰かを自殺させる?
なにをふざけたことを……!


「自殺させるってことは、追い詰めるってことか?」


正志が誰にともなく質問している。
そんなの知らない。
知りたくもない!
私は耳を塞いでその場に座り込んでいた。


「1日で、自殺するまで追い詰めるなんてできる?」


それでも嫌でも聞こえてくるみんなの声。
みんなはもう、ホワイトボードの命令に従うつもりでるんだろう。


「精神的に追い詰めるのは無理だと思う。だから、物理的に自殺するしかない状態にして……」


なんで?
なんでそんな話が普通にできるの?
みんなここに閉じ込められて、極限状態に陥って、おかしくなってしまったのかもしれない。