命令教室

☆☆☆

その日、結局私は香の部屋で朝を迎えていた。
寄り添って座ったまま、何度かうつらうつらした程度だ。
昨日走ったせいで全身が筋肉痛で悲鳴をあげている。

できればこのまま香とふたりで昼まで眠っていたい気分だった。
それでもどうにか重たいまぶたをお仕上げてふたりで部屋を出た。
ずっと引きこもっていたら、他の子たちに心配をかけてしまうから、ひとまず顔を出さなきゃいけない。
階段を降りるときには足が痛くてふたりして涙目になりながら、どうにか足を進めていった。


「食堂には誰もいないね」


部屋を出た時間がいつもより少し遅かったせいか、食堂には誰の姿もなかった。
けれどなにかを食べた後の匂いだけは残っている。


「香、なにか食べる?」

「ううん。まだいいや」


昨日の晩は菓子パン一個しか食べていなかったけれど、食欲はまだ回復していないみたいだ。
私もあまり食べる気分にはなれなくて、そのまま教室へ向かうことになった。


「みんなおはよう」


声をかけて教室に集まっていたメンバーに声をかける。
そこにいたには修、充、正志、純子、未来の全員だ。