あと20周以上を、あの様子で走るなんて。
とても無理に思えるけれどそれは口には出さなかった。
できると信じてあげなきゃいけない。
彩と花のふたりに気を取られている間に他の3人が次々とゴールしていく。
香がゴールの白線を踏みしめてその場で泣き崩れてしまった。
「やった! 香がゴールした!」
その姿に感極まって教室を駆け出していた。
体は重くてもう少しも動けないと思っていたのに、グラウンドに出て香へと駆け寄る。
「香、香頑張ったね!」
そう声をかけて握りしめてきた冷たいペットボトルの水を差し出す。
香は返事をする前にそれを一気に飲み干していた。
「歩……私走れたよ!」
ボロボロと涙をこぼして抱きついてくる香を優しく抱きしめる。
その呼吸はまだ荒くて、それなのに涙だこぼれて余計に会話が成り立たない。
それでもよかった。
とにかく香は最後まで走り切ることができたんだから。
とても無理に思えるけれどそれは口には出さなかった。
できると信じてあげなきゃいけない。
彩と花のふたりに気を取られている間に他の3人が次々とゴールしていく。
香がゴールの白線を踏みしめてその場で泣き崩れてしまった。
「やった! 香がゴールした!」
その姿に感極まって教室を駆け出していた。
体は重くてもう少しも動けないと思っていたのに、グラウンドに出て香へと駆け寄る。
「香、香頑張ったね!」
そう声をかけて握りしめてきた冷たいペットボトルの水を差し出す。
香は返事をする前にそれを一気に飲み干していた。
「歩……私走れたよ!」
ボロボロと涙をこぼして抱きついてくる香を優しく抱きしめる。
その呼吸はまだ荒くて、それなのに涙だこぼれて余計に会話が成り立たない。
それでもよかった。
とにかく香は最後まで走り切ることができたんだから。



