Cherry Blossoms〜咲き誇った花の名は〜




「ここか……」

本田凌(ほんだりょう)という偽名を使い、榎本総合病院に潜入捜査をしていた公安警察の九条桜士(くじょうおうし)は呟く。

Cerberusの幹部の一人であるイエティの手によって、大勢の命か一花を選ぶように選択を迫られたものの、eagleのメンバーたちのおかげで一花が捕えられている場所まで来ることができた。

電車に揺られて桜士が降り立ったのは、東北にあるとある町だった。そこから駅のホームに貼られた暗号を解き、その暗号で指定された山の奥まで歩き、ようやくアジトを見つけ出したのだ。

アジトは三階建てのコンクリート製の建物だった。外壁には大量のツタが絡み付いており、パッと見ただけでは廃墟のように見えてくる。だが、ここに人がいることはわかっている。

(見張りか……)

建物の出入り口となっているのであろう分厚いドアの前には、二人の男性が立っている。ただガードマンとして腕組みをしているのではなく、その手には銃が握られていた。