Cherry Blossoms〜咲き誇った花の名は〜

女性は躊躇うことなく引き金を引く。だが、その銃口は無防備な彼らの胴体は狙っていない。彼女は威嚇のために彼らの足元に銃弾を撃ち込んでいるのだ。

男性二人は足元に次々と撃ち込まれていく銃弾に気を取られ、足元しか見ていなかった。戦場ではそれは命取りとなる。

「何があっても、攻撃してくる人間から目を離してはいけませんよ。こんな風にいつの間にか間合いに入られてしまいます」

男性の耳元で女性の声が聞こえ、男性は横を見る。刹那、目の前に現れたのは女性の顔ではなく黒い何かだった。それが銃だと気付いたのは、顔に強い衝撃と痛みを感じた後である。

女性は銃で男性一人の顔を殴り付けて気絶させた後、すっかり怯えて手を震わせている男性の方を向く。そして、その目をしっかりと見つめて言った。

「さあ、どこからでもかかってきてください。この四月一日一花(わたぬきいちか)がお相手致します!」

女性こと一花がそう言うと、男性の一人は震える手を数秒見つめた。顔を上げた後、男性は自分自身を鼓舞するかのように大声を上げる。