Cherry Blossoms〜咲き誇った花の名は〜

医療従事者でない者は、人間の体からどれほどの血液がなくなれば危険なのか、知らない場合が多い。無知の人間が医療行為に手を出せば、命に危険が及ぶ危険性しかないのだ。

「四月一日先生……!」

何度も、桜士はその名前を呟く。大量に血を抜かれたまま一花が放置されていたら?酷い判決を起こしていたら?まともな食事を与えられていなかったら?一度ネガティブなことを考え始めると、止まらない。

「四月一日先生……!」

桜士が頭を抱えたその時である。背後から近付いてくる足音が聞こえた。

「ッ!」

見張りにバレてしまったのか。桜士の目が一瞬にして野生動物のように鋭くなる。そして、何者かがこちらに向かって手を伸ばす気配を察知し、その手を強く掴んで壁に乱暴に叩き付けた。

「いった〜……。本田先生、痛いですよ」

そう言い痛みに顔を顰めているのは、eagleのチームリーダーでありチリ出身の外科医であるクラウディオ・エルナンデスだった。