だが、アジトの中の様子がわからない以上、上は突入の命令を出すのを渋る可能性も高い。アジトにどれほどの人間がおり、どのような構造になっているのか、誰も把握していない。集まったところで、突入はあまりにも危険すぎる。
(もしも上が突入を諦めたとしても、俺は……!)
桜士の頭の中に一花の笑顔が浮かぶ。多くの命をその手で救い、多くの人から信頼され、愛されている彼女の笑顔は、桜士の心の唯一の希望である。彼女を見捨てるという選択肢は桜士には存在しない。
「四月一日先生……!」
その名を、桜士は呟く。握り締められた拳はいつの間にか震えていた。
一花は貴重な血液の持ち主のため、イエティは「殺しはしない」と言っていた。血液を一花の体から抜き取り、しばらくは売り続けるのだろう。だが、彼らの中に医療の心得がある者がいるのかわからない。
(もしも、見よう見まねで血液を抜いているのだとしたら、四月一日先生が危険だ!)
(もしも上が突入を諦めたとしても、俺は……!)
桜士の頭の中に一花の笑顔が浮かぶ。多くの命をその手で救い、多くの人から信頼され、愛されている彼女の笑顔は、桜士の心の唯一の希望である。彼女を見捨てるという選択肢は桜士には存在しない。
「四月一日先生……!」
その名を、桜士は呟く。握り締められた拳はいつの間にか震えていた。
一花は貴重な血液の持ち主のため、イエティは「殺しはしない」と言っていた。血液を一花の体から抜き取り、しばらくは売り続けるのだろう。だが、彼らの中に医療の心得がある者がいるのかわからない。
(もしも、見よう見まねで血液を抜いているのだとしたら、四月一日先生が危険だ!)



