麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑥/伝説のあの夏…、ファーストレジェンドは奇跡を生んだ!

壮絶の川原/その14
祥子


ガチンコ、セメント…

もうこいつら、そのレベルを飛び超えてるわ…


...



麻衣は容赦ない横田の窒息攻めを、苦肉の策で抜け出た

力いっぱい麻衣の首を川の中へ押し込んで踏ん張ってる横田の足の力を利用し、何と麻衣は首を水面に思いっきり潜らせ、前に泳いで移動した

思わずバランスを崩し、横田は尻もちをついたわ

麻衣は気が付くと、横田が持参してきたパイプを手にしてる…

どうやら、土手下で自ら横田の手から奪い取ったパイプ棒を川の中に放り投げた際、その位置を把握していたのだろう

かくて、鬼に金棒ならぬ、全身ずぶ濡れの麻衣の手にはパイプ棒が握られていた訳だ

その麻衣の正面、約3Mのところに、膝上あたりまで川の水につかって横田が立っていた…

当然ながら、麻衣は鬼の形相だった


...


「貴様ー!!…よくも、”あそこまで”やってくれたな!…もう完璧ぶっ殺すから覚悟しろよ!テメーの持ってきたこのパイプ棒でどタマかち割ってやるからな!」

「ああ、来いって!私の頭割れた瞬間、エイリアンが飛びついてくるからそっちこそ、覚悟してやりやがれ!」

「ギャハハハ…、アンタいいセンスしてるわ。言っとくが、牙向いてくるエイリアンも本郷麻衣を前にしたら、速攻逃げかえるってな。今、ここにいるみんなに見届けてもらうわ。‥なら、行くぞ!所詮、私の顔にはお前の汚ねー脳みそが散らばるんだ!横田、喰らえー!」

「やだね!ついて来れるもんなら着いて来い!」

どうなってんだ…

横田の野郎…、川を背にして土手下に全力疾走していく

麻衣は一瞬、あっけにとられたが、横田を追っていったわ

さあ、あまり危険な状況になるようなら、”向こう”とも協議しないとな

私はまず久美を呼んで、真樹子さんに伝達を遣わした…