-コンコン 「雪乃ちゃん?」 そう言って入ってきたのは、 紗良ちゃんと芽衣ちゃんだった。 紗良ちゃんは、 いつもと変わらなかったが、 芽衣ちゃんは、 入院着じゃなく、普段着を着ていた。 「…紗良ちゃん、芽衣ちゃん。 …久しぶり」 「久しぶり。大丈夫?」 心配そうに聞いてくる芽衣ちゃんに、 私は、頷いて答えた。 この時の私は、 もう自分で起き上がることができなかった。