いかん、いかん。 パチパチっと両頬をちょっとはたいて、咲はテキストをのぞきこんだ。 「――で、ここがこうなるから、ここが……」 王子颯斗の言葉は、たぶん日本語だと思う。 でも、日本語に聞こえない。 つまり、咲にはまったく意味がわからない。 思わずくたっと机に倒れこんだら、王子颯斗のクスッと笑う声が聞こえた。