王子颯斗の家の表玄関は騒がしい。 女子がいっつも王子颯斗の帰りを待っているから。 もしくは、王子颯斗が出てくるところを待っている。 それを横目に見ながら、咲は渡されたカギで裏門を開けて、スルッと中に体を滑り込ませた。 いつもはインターフォンを押して開けてもらうのだけど、今日は違う。 でも、ふぅ、毎回毎回緊張する。