「「「「キャー」」」」
今度は、黄色の悲鳴ではなく、まともな悲鳴が女子達から上がった。

さぁ。どうしようか。
まぁ忠告はしておいてやるか。

「いいんですか?ここでこんなことして。先生達にばれたら大変ですよ?」
あえて、優等生として堂々と忠告してやろう。
(最近、体動かしてないからストレス溜まってるんだよなー)

「あぁ?そんなこと言ってられんの今のウチだぞ?」
「まだまだ、余裕あんのか?」
チャラい奴その2とその3の威勢もいい。

時計を見ると、
8時25分。
ホームルームが終わる時間が近づいてきた。

そろそろ終わらせるとするか。

「そろそろ、離してくれませんか?」
と一応聞くが、

「んなことするわけねーだろ!」
とチャラい奴その1は余裕満々な顔で言ってくる。

仕方ない。
この出来たばかりの私立高校で事を荒立てるのは心苦しいが、
やるか。
そう思い、俺は胸ぐらを掴んでいるチャラい奴その1手首を普通は曲がらない方向へ少し曲げてみた。
「っ!?痛ってーな!」
チャラい奴その1は、一瞬ひるんだものの空いている方の腕で殴りかかってくる。

(これで、条件は満たした。)

これを狙っていたのだ。

俺は殴りかかってきた方の手を両手で掴み、背負い投げをした。
もちろん、しっかりと落とす場所は配慮して何もない安全な床に落としてやった。
一瞬の出来事だったが非常に気分がいい。