あの休み時間からあっという間に時間が経ち、
────現在午後6時。

昼間、あれだけギラギラと輝いていた太陽は、今ではその輝きを抑えて見惚れるような炎を上げながら地平線に沈もうと少しづつ自らの居場所を下へ下へと移動させている。
沈んでいく地平線はまるで大火事が起こっているようだ。

俺が、どこでこんな景色を見ているかというと、昼間弁当を食べたあの屋上だ。

目の前には昼間、結花と仲良さげにしていた女子生徒がこちらを見て微笑んでいる。

「胡散臭い笑みだな。言うことがあるんだろ?」

俺はその女子生徒に問う。

声こそ淡々そのものだが、完全に目が笑っていない。
自分でも分かる、自分が苛立ってるってことに。

「何がぁ?呼び出したのはそっちでしょ?」

女子生徒は、少し面倒くさそうに頭をポリポリと掻く。

仕方ない、違かったときが恐ろしいが話の本題に入るとするか。

「もう、〖ネタ〗は上がってるんだ。お前だろ?あの輪廻の神が寄越した眷属って、なぁ狐神風車宮(こがみかざぐるまのみや)?あぁ、こちら側では空狐 輪廻だっけ?」