☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


7月7日。
時刻は午後11時45分。
もう少しで、日付が変わる頃。

「う゛、、あ゛、、」
ひとつの呻き声が暗いためか物寂しく感じられる部屋の中に響いた。

「はぁ、はぁ、、、」
そして1人、結花は目を覚ました。
いつもは、こんなに早く目が覚めないし苦しくもないはずなのにと。

しかし、結花はなんとなく理由を悟っていた。

〖七夕〗だからだ。

毎年、七夕はあの夢を見る。
必ず。
しかも、場面や出来事はいつも見るものと同じはずなのに目が覚めたとき、何故か体が震えている。
それは、苦しさから来るものでも、辛さから来るものでもない。
恐怖心から来るのだ。
そう。結花は、何か分からない、何かに怯えていた。
結花自身、何に怯えているのか分からない。