そこから、俺は面倒なことに先生達に事情聴取された。
しかし、先生達は
『何でやったんだ?』
と聞きながらも、顔は晴れやかだった。
この先生たちの態度はどんなもんだろうと思ったが、心の中で苦笑するしかない。
俺も、
『急に、殴りかかってきて、ビックリして、中学の体育で習った背負い投げを思い出して、自分の事を守ろうとしただけです』
そうニコニコとした笑顔で答える。
どうやら、先生達にとっても、奴らは、面倒な存在だったらしい。

喜んでもらえたのなら、よかった。
これで、先生達にも好印象でこの学校での生活を始められそうだ。


あとは、彼女だ。
無理に思い出させるのは、彼女の負担になる。
まずは、距離を縮めて、、、。
ってまずは、彼女と同じ教室に居られるようにしないとな。

今回だけは、頼み込むしかないかな、、、。ホームルーム時の事はまた、後でということになった。



1時限目は、
丁度、鶴木の授業だったため、さっきのホームルームで、結局出来なかった自己紹介をした。

「改めまして、俺は丘星清理といいます。
目の色のせいでハーフと間違われやすいですが、父も母も日本人で、黒髪に、黒い目です。
他県から引っ越してきて、あまりここら辺の、地理にまだ詳しくないので、教えてくれると嬉しいです。
これからよろしくお願いします」

先程、教室に入って来た時とは教室内の雰囲気が雲泥の差だ。
皆が俺を歓迎している。

その中で、俺は少しでも彼女に近づくための、様々な行動パターンを頭の中でシュミレーションしていた。