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「目には目を、歯には歯を、クソにはクソをです」


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とんでもないことを言うと思った

とんでもない人だと思った


実際

とんでもない提案を勢いで呑んでしまうような

とんでもない人だった




城木雪音

ー 白雪姫


そんなことを言い出したのは誰だったか、いつからだったか
覚えてないけれど

その呼び名が見事に合う、俺の偽の彼女さん


腰まで伸びた長い髪、艶やかで蛍光灯の地味な灯りでさえ映させるような真っ黒でサラサラの髪

あんまり太陽に照らされていると、そのまま消えてしまうのではないかと心配になるほどの
真っ白で透き通るような肌


少女漫画の主人公を連想させるぱっちりとした大きな瞳と長いまつ毛

少しだけ異国の雰囲気を感じるのはその高く綺麗な鼻のせいだと思う

口は小さくて、人形職人が居たとしたら一番凝って作りましたと言わんばかりの美しい形をした桜色の唇


どこかの国のプリンセスだと、誰もが思うであろう

そんな神様の大傑作である美しい生徒会長