遡ること数時間
昨日の放課後に戻る
「彼女……ですか?」
唐突に彼女になってくれとほざいたこの鈴本楓とかいう男
私とこの男にはなんの接点もなかったはずだ
それなのに彼女とはどういうことだろうか
普通に考えて私の事が好きだとは考え難い
わざわざ生徒会室にやってきて、この喜怒哀楽の見えない機械のような表情でそんなことを言われては
状況とセリフが一致しない
「…理由を聞いても?」
ここは冷静に対処すべきだ
間違っても照れたり取り乱したりしてはいけない
生徒会長として、品行方正な優等生としてあるべきだ
しかし、彼が続けた言葉は思いもよらぬものだった


