そうよ
他でもない自分で言ってるじゃない
目には目を
歯には歯を
クソには、クソを
ガタッ
勢いよく立ち上がる
「取り消してください」
「…は?」
「鈴本くんを低脳だと、馬鹿だと言ったこと、取り消してください!」
「な、なにを…」
「雪音?」
鈴本くんを馬鹿にするな
鈴本くんを悪く言うな
彼は…
彼は私に、知らないことをたくさん教えてくれた人だ
私にとって
変え難い人だ!
手元にあったコップを持つ
そして中の水を父親の顔面に向かってぶちまけた
「っ!?」
「なっ!」
「何も知らないくせに!私のことなんっにも知らないくせに知ったような口聞かないでよ!クソジジイ!」
唖然とする父と兄
覚悟しろ
私はタガが外れるとヤバいぞ
「私は奴隷じゃない!鈴本くんを、私の恋人を馬鹿にされて大人しく頷けるほどアホでもない!」
「雪音、一旦落ち着いて」
…ぶち
目の前に座っていた兄がそんなふざけたことを言い出したので
今度は兄のコップを持って兄の顔面に水をぶちまける
「っ」
「喋らないでください。嫌いなので」
「え……」


