偽恋人の恋愛事情




「あ、そうだ鈴本くん」

「ん?」

「すみません…佐賀くんに私たちの関係バレちゃいました」

「え?」


不甲斐ない
まさか私がこんなミスをするなんて

先ほどあったことをざっと説明する



「…なるほど。まあ確かに俺とあいつは結構な腐れ縁だし…付き合ってるって言った時もいまいち苦い反応してたからな」

「すみません。私の失言のせいです」

「いやいいよ。多分あいつにバレるのは時間の問題だったし。むしろ上手く対応してくれたよ」

…そうは言っても


「ふふ、それはどんな顔?」

私の顔を覗き込んで少し笑った鈴本くん

「やっちまったって顔です」

「責任感強いよね〜会長は」


!?

ポンと私の頭の上に鈴本くんの手が乗った


「気にすんな」




鈴本くんは冷たい人とか、感情の薄い人とか、いろんな噂を聞いていたけど

所詮…噂は噂だったのだろうか


彼は、私のために怒ってくれるし、こんなに温かい手をした
とびきり優しい人間だ


ドクドクと心臓が血を送る音が体の中にこだまする

指先がじんとする

胸がギュッとなる



真っ直ぐに…鈴本くんを見つめる


「…」

「っ…」