「会長は?」
え
「会長は楓の何に興味持ったの?」
えぇ…
答えなきゃだめかな
鈴本くんが申し訳なさそうに眉を顰める
なんとかしなさいよあなた
「やっぱ顔?」
は?
…
いや…やってやるって決めたんだ
完璧な彼女役を
「顔じゃないです」
はっきりとそう答える
〜
『俺はお堅い会長より、今の会長の方が好きだわ』
『あの人のこと何も知らないくせによく言うね』
『あの人の底知れない努力を』
『昨日寝た?』
〜
脳内でリピートされる鈴本くんの記憶
まだ知り合って1ヶ月ほどしか経っていないのに
私は案外彼のことを知っている
そして彼について語るための材料が…思ったよりある
彼に興味があるという嘘を…嘘?
う、そをつくためのデータが、十分すぎるほどに
…あるようだ


